忘れることが難しいほど簡単なテクニックを紹介します
まずはじめに言いたいのは、素人にコピーライターのマネはできません。
逆立ちしたって無理です。あきらめましょう。
とあるコピーライターのエピソードです。
何やら机でうずくまるA君。「どうしたの?」と聞くと、「良いコピーが出てこなくて吐いた」とのこと。
ある機材のマニュアル制作を頼まれたB君。本を5冊買い込み、関連する資格を取得。校正で専門家も気付かなかった間違いを指摘するまでに成長しました。
コピーライターとはこんな人種です。
プロのコピーライターなら簡単に100以上のテクニックをあげられます。
このようなテクニックを素人が一朝一夕で身につけることはできません。
このページに訪れたということは、既に文章の書き方について何度も学んできているはず。
そのうち、どれだけのテクニックを覚えていますか?
文章を書くときに、そのテクニックを使って書けていますか?
「あれ、全然覚えてないな」という方に向けた記事です。
ブログの文章は読まれない
検索すればいくらでも情報が見つかります。
ぱっと見て欲しい情報が無さそうなら次のサイトへ。という読者がほとんどです。
そこで重要になるのが訴求力です。
広告には「80/20の法則」というものがあります。
8割の人がキャッチコピーを読み、惹きつけられた2割の人がボディーコピーを読むというものです。
プロの作った広告ですら、2割しか本文に引き込めません。ブログの場合は、さらに困難です。
ブログは情報が溢れているからこそ、キャッチーなタイトルが必要になります。
ぱっと見しかしてもらえないからこそ、わかりやすい見出しが大切です。
「最後にどんでん返し」などと、出し惜しみなどしている場合ではありません。ページを開いて5秒以内に記事の魅力が伝わるようにしましょう。
では、どうやって訴求力を高めればいいでしょうか。
「誰」に「何」を伝えるのか決める
誰かに伝えたいことがあるから文章にする。考えれば当たり前のことです。
しかし、できているブログはごく一部です。
普段の会話で「どうでもよい話」をする人がいます。
自分に関係のない話は、誰しも「どうでもよい」と感じます。男性に化粧品の話をしてみてください。「どうでもいい」と返されると思います。(グイグイ食いついてきたら付き合い方を変える必要がありますw)
「とりとめもない話」をする人もいます。
これは伝えたい事が無いことが原因です。会話の目的が「楽しくお喋りをする」だからです。コミュニケーションは大切ですが、文章としては落第です。
「伝わる文章」を書くには「誰」に「何」を伝えるかが重要です。
誰に伝えるのか決める
「誰に伝えたいのか」は特に重要です。
愛の告白は、愛する人にするべきです。他人に伝えても意味がありません。
「誰」は具体的なほど、訴求力が高まります。
化粧水のキャッチコピーを考えてみます。
「20~50代の男女」がターゲットだと「保湿力の高い化粧水」というぼやけたコピーになります。
「20代の女性」がターゲットの場合は「モテ肌メイク化粧水」「すっぴん愛され肌」といった、20代の女性が持つ欲求に訴えるコピーが書けます。
「50代の女性」の場合「10歳若返る化粧水」「シミが消える化粧水」といった具合です。
対象が具体的なほど訴求力が高くなります。
誰にも相手にされないよりは、好きな人に刺さる記事を書きましょう。
何を伝えるか決める
「誰」が決まったら「何」を決めます。
こちらも絞れば絞るほど訴求力が高まります。
例として10代の男性に「最高の映画」を伝える記事を考えてみます。
この時点では「10代の頃に絶対見たい映画10選」といったキャッチコピーになると思います。これでは少し弱いですね。
10代の男性にとって「最高の映画」とは、どんなものでしょうか?
個人的な好みで言えば、カッコいいSFものや、ドンパチ激しいアクションものが好きでした。
「R2D2も納得、カッコいいロボットの出てくるSF映画」
「格闘のプロがガチのアクション映画教えるよ」
「最高の映画」という抽象的なテーマから、一歩踏み込むことで若者に伝わりやすいコピーになりました。
このように「誰」に「何」を、が具体的になると、自然と訴求力が高くなります。
わかりやすい文章を書く
魅力的なタイトルが書けるようになったら次は文章です。
文章が「わかりやすすぎて、読む気しない」という人はいません。
新聞の場合、小学生でも理解できるように書かれています。経済紙などの専門誌ですら中学2年が理解できるように編集されているそうです。
ブログは読み飛ばされる運命にあります。そうなると「小学生以下の理解力」を想定するべきです。
短い文章で書く
わかりやすくするには「文章を短く」することです。
これ以上のテクニックはありません。
以下の例を読んでください。
「会場を歩いていると華やかなドレスを着たAさんを見つけたが、Aさんが他人と話している時に見せる笑顔が魅力的すぎて、私は後ろで見ているのが精一杯で、会場の隅で肉汁たっぷりでジューシーなローストビーフを食べていた」
何を伝えたいのかわかりません。Aさんの魅力を伝えたいのか、恐縮していたことを伝えたいのか、ローストビーフを食べたことを伝えたいのか。
「Aさんは会場の誰より輝いていた。私はただ見つめるだけだった」
こちらは意味を間違えようがありません。
上の例は極端な例ですが、とにかく「わかりやすさ = 正義」です。文章を難しくする要素は避けます。
加えるかどうか迷ったら削る。分けるかどうか迷ったら分ける。誰にでもわかる単語を使う。といった具合です。
まとめ
では、おさらいです。
読み捨てられるブログだからこそ、訴求力が大切。そのために「誰」に「何」を伝えるのか具体的に決める。
文章を短くしてわかりやすい文章を心がける。
以上、誰でも実践可能なコピーライティング術でした。
注意点として、いくらキャッチーだからといって、嘘で釣るのはやめましょう。
すぐに飽きられて相手にされなくなります。
また、この書き方は一般的なブログ向けです。専門家が対象の文章は別です。
専門家の場合は専門用語を使ったほうが、理解が早いからです。
突き詰めていけば、自分にとってではなく「読者の視点からわかりやすい文章」を意識することが大切です。
コピーのお手本から学ぶ
何はともあれ、勉強するならお手本から学ぶのが1番です。
自分が読みやすいと思うブログを探して、勉強してみてください。
私のおすすめは以下のブログです。
コピーライター・牧野圭太
コピーライター・牧野圭太さんの「コピーライターの目のつけどころ」です。
騙されたと思って「『はあちゅう』という生物について。」を読んでみてください。
今をときめく「はあちゅう」さんを、タイトルでいきなり「生物」呼ばわりです。つかみは完璧ですね。
最後まで読めば、これがコピーライター流の応援であることがわかります。
短いセンテンスと平易な言葉。それでありながら感情の機微を描いて、グイグイと文中に誘い込みます。そして結論で伏線を回収しています。
また「博報堂の就活のESを書いてみる」も傑作です。
「僕は時たま」などと学生らしさを演出していますが、伏線が綺麗に回収されて牙が全然隠せていませんw
「さすがプロ」と実感できると思います。
エディター・藤崎圭一郎
もう1つおすすめは「雑誌原稿書き方_全111条」という記事で勉強させていただいた藤崎圭一郎さんの「藤崎圭一郎の雑思録」です。
おすすめは「夢を見ないで夢を叶える」という記事。
落語の「芝浜」から入り、「夢から目覚めないと夢は実現できない。」と落とします。藝大で教鞭を執っているそうなので、学生に向けた言葉なのかもしれません。考えさせられる言葉です。
広告デザイン会社DRAFTの活動をまとめた「デザインするな」という著書も読ませていただきました。
「デザインするな」とは「広告らしさ」に逃げがちなデザイナーに対する言葉です。「本質を捕らえ創造的であれ」との宮田識さんの言葉です。形式ばかりで記憶に残らないデザイン本が多い中で、示唆にあふれた特異な本です。
個人的はモスバーガーのくだりが好きです。
よかったらコメント欄で、みなさんの思う「文章のうまいブロガー」を教えていただけると嬉しいです。
糸井重里さんの「ほぼ日」は絶対外せないでしょう。
http://www.1101.com/home.html
糸井さんは外せませんねw
ただ、最近「コピーライターやめました」と発言してましたね。
あれも糸井さんなりの新しいコピーなのかもしれませんね。