古い動画ファイルを閲覧していると、音声が再生できないものがありました。
私の動画再生環境は、再生ソフトがMPC-BEの64bitバージョンで、コーデックパックのX Codec Packという組み合わせです。さまざまなソフトとコーデックパックを試した結果たどり着いた組み合わで、今までこの環境で再生できない動画はありませんでした。
X Codec Packについては以前投稿した「ぼくのかんがえたさいきょうのコーデック」で解説しています。
私の環境ではX Codec Packをおすすめしていますが、他にもおすすめのコーデックパックは存在します。
以下のサイトが詳しいので参照してみてください。
「何でも再生!おすすめコーデックパック 一覧 – ぼくんちのTV 別館」
音が再生できない動画の症状
MPC-BEで音が再生できない動画ファイルを開くと以下のように「警告」というダイアログが出ます。
これではコーデックの種類がわからないので、ダイアログを閉じて「ファイル > プロパティ」で確認します。
どうやらオーディオはVorbis形式です。
これはヴォルビスと呼ばれる音声コーデックで、拡張子はOgg。比較的よく使われる実績のあるコーデックです。そのため前出のX Codec Packでも問題なく対応しているはずです。
問題なのはバージョンが「mode 3+」となっている点です。調べてみると、「Ogg Vorbis CODEC for MSACM」というソフトでエンコードした形式のようです。
作者のサイトはすでに閉鎖されており、かろうじてコーデックファイルだけがネットに散らばっているという状態です。
仕方がないのでベクターのページからダウンロードしてインストールします。(動作OSがWindows 2000/98/95という時点でかなり古いソフトであることが伺いしれます。)
インストールはできたものの、一向に音が再生されません。
「これでだめならお手上げかな…」となかば諦めつつ解決策を探していると以下のページを見つけました。
『PROJECT Ogg Vorbis CODEC for MSACM』
ざっと斜め読みしたところによると、インストールの方法がWindows 10に合っていないようです。そして、このページの作者様がインストーラーを作成したとのこと。
「自作コンテンツ公開所 | uploader.jp」からダウンロードできます。
ちなみにver2.5が64bit版とのこと。環境に合わせてインストールしてみてください。
ダウンロードした「Ogg Vorbis CODEC for MSACM ver2.5.exe」をダブルクリックしてインストールします。
このようなインストーラーが起動するので、「次へ」をクリックしてインストールを完了してください。
ということで再生…。としてみますが、やはり音は再生されません。どうやら私の利用しているMPC-BEやVLC media Playerでは動作しないようです。
原因は判然とはしませんが、MSACMという仕組み自体が古すぎて最新の動画プレイヤーはサポートしていないのかもしれません。
では結局再生できなかったかというとそうでもありません。Windows Media Playerで開いたところ、無事に音声も再生できました。
流石に仕様を実装したMicrosoftの純正プレイヤーだけあって今でもサポートしているということでしょうか。
無事に音が再生できたのは良かったのですが、今回の動画は仕事で利用するためWindows Media Playerでしか再生できないとなると何かと不便です。そのため、アマレコを使って動画をキャプチャし、h264形式に落とし込みました。かなり力技ですが、わりと納得できる動画に仕上がりました。
ということで結論。
動画をエンコードする祭は、将来のことを見越して、汎用性が高い形式を選ぶ。
圧縮率の高さや新しい技術を試したい気持ちもわかりますが、そういうのはテストで満足しましょう。
また、コーデックの開発者様と、インストーラーの作者様に感謝申し上げます。
我々が今日、快適な環境を甘受できているのも、さまざまな試みで切磋琢磨し、より良いものへと導いてくれた方々のおかげです。
OggVorbis ACMは単純にoggファイルをそのままRIFFコンテナに入れているだけだったような記憶があります。そのため、PCゲーム用のデータ抽出ツールである「ExtractData」などでoggファイルのみを対象に検索をかけると、音声のoggファイルを取り出せた記憶があります。
有益な情報ありがとうございます。勉強になります。