私と同じように自転車が盗まれた方の情報収集に役立てばと思い、自転車の盗難時に必要になる処理をまとめました。
前回の投稿で「警察官の『犯人を逮捕できない』という言葉に納得ができなかった」と書きました。
私としてはどうしても犯人を野放しにする気にはなれませんでした。
このページを見ていただければ、犯人を許せなかった気持ちを理解していただけると思います。
自転車を盗まれた際に必要になる処理
1.自転車の集積所に撤去されていないか確認
犯人が自転車を乗り捨てた場合、撤去されている可能性があります。
それぞれの市町村で集積所は異なるため、近隣の集積所を調べて電話してください。照会には防犯登録番号が必要になるので電話する前に準備してください。
集積所のおじちゃんがパソコン(と思われる)端末をポチポチと操作して教えてくれます。
しかし、この電話で問い合わせを行うという前時代的な仕組み。番号と集積所を紐付けるだけなら、ごく簡単なシステムで対応できます。全国で統一のシステムを使えば、わざわざ集積所を周知したり、調べたりといった無駄な手間が必要なくなります。いかにもお役所仕事というか、お家芸ガラパゴスというか…。
1.最寄りの交番・警察署に盗難届を出す
盗難届は最寄りの交番や警察署に提出します。届け出に必要なのは防犯登録番号だけです。(印鑑もあれば拇印で指が汚れなくて済みます)
事前に、盗まれた場所・日付・状況、車種のわかる書類、購入時の価格・盗まれた時点での市場価値などを整理しておくと書類の作成が滞りなく進みます。時間にして30分から1時間程かかります。待たされることもあるので、時間に余裕を持って行きましょう。
盗難届の受理番号というのを教えられるので、届け出た警察署の名前とセットでメモしておいてください。
「盗難届を出してもどうせ返ってこないだろうし、面倒だから行きたくない」この気持は良くわかります。
実際に盗難された自転車が警察の職務質問で見つかる可能性は5%程度とのこと。だからといって届け出をしないと、さらに煩わしいことに巻き込まれる可能性があります。
盗難届を出すメリット
犯人が自転車を乗り捨てて、自転車が回収された場合、集積所からお知らせが届きます。回収された自転車を受け取る場合、自治体によって異なりますが手数料が約3,000円かかります。自転車が不要になって処分して貰う場合も同様に手数料を取られることがあります。盗難された上、撤去の手数料まで取られたら泣きっ面に蜂です。盗難届を出しておけば手数料が免除になります。
盗難届を出さないことによるデメリット
盗難届けを出さないと、自転車にまつわる責任が所有者のままになります。
盗難自転車を利用して発生した損害は、自転車の持ち主に賠償責任があります。例えば放置自転車のブレーキが壊れていれば「整備不良の自転車を放置した」という罪になります。放置自転車の利用者が事故にあった場合、持ち主に責任があります。理不尽極まる話ですが、実際にそのような判決があります。
他にも、自転車が犯罪に使われた場合、疑いの目を向けられることになります。
盗難届の提出は「盗まれたことを証明する」という側面もあります。面倒という気持ちもわかりますが、更に煩わしいことに巻き込まれないためにも、盗難届は提出しましょう。
ちなみに、後述する盗難保険や火災保険を利用する際にも、盗難届の受理番号が必要です。
1.自転車を購入したショップに保険の有無について確認をする
自転車の購入時に盗難保険に入っていれば、補償が利きます。私が購入したブリヂストンの自転車は、購入から3年間は盗難補償が付きます。(車種によって条件に違いあり)
自転車の鍵を持って盗難届の受理番号を伝えれば、手数料3,000円程で同等の代車を手配してくれます。(申請から代車の引き渡しまで1ヶ月ほどかかりました)
他にもショップオリジナルの保険がある場合があります。購入代金の半額まで保証する、新車購入時に○円まで肩代わりする、といったユニークな保険もあります。一度購入したショップに問い合わせてみてください。
1.火災保険の補償範囲か調べて申請を出す
自宅の敷地内で自転車が盗難にあった場合、火災保険で補償されることがあります。我が家の場合はブリヂストンの盗難保険で返ってこないもう1台が保証されました。
申請から3ヶ月ほどで自転車の購入価格、満額振り込まれました。
1.防犯カメラの設置
2度あることは、3度あると言います。再発防止のため、防犯カメラを設置しました。Wi-Fiでネットワークに繋がり、外出先からでも映像を見ることのできるカメラを購入しました。(防犯カメラの設置についての詳しい記事はこちら)
防犯カメラについて全くの素人だったため、機種の選定に1日、設置と調整に1日潰れました。
さらに一歩踏み込んで、日常生活の中でも自転車を取り返す努力をする
上で紹介したように、自転車窃盗犯の検挙率は5%です。この数字だけ見ると「どうせ見つからないだろう」と諦めたくなる気持ちも理解できます。
ただネットで調べてみると、自転車が返ってきた割合が4割という調査もありました。
思ったよりも高い割合ではないですか?
詳しく調べてみると、警察の職務質問以外にも実に様々な方法で自転車が見つかることがわかりました。
- 乗り捨てられた自転車を発見した方、
- 集積所から連絡があって取りに行った方
- 自力で近所のアパートで発見し、張り込みした方
- たまたま自分の自転車を乗っている犯人に出くわした方
- SNSで呼びかけを行い発見した方
- オークションサイトで犯人を特定した方
- GPSなどの追跡装置で発見した方
少し調べただけで、このとおりです。
実際に私も移動中に発見しました。
近隣のめぼしい場所に狙いを定めて自転車を探す
ネットで調べた範囲ですが、自転車が発見さやすい場所には、ある程度の傾向があります。近隣の駅前、商業施設(特に大型スーパーやパチンコ店、コンビニなど)、学生寮などの安アパートといった場所です。(私が今回発見したのも学生向けマンションの前でした)
わかりやすく言えば「近所でプーマのジャージを着ている若者がたむろしてそうな場所」を探しましょう。
犯人が乗り回している場合は平日と土日で行動パターンが異なります。1度見た場所も曜日や時間帯を変えて何度か見てみましょう。
日常の生活の中でも、常に自アンテナを張る
いくら自転車を取り返したいといっても、延々と自転車を探し続けるというのは人生の浪費です。
ただ「日常の生活の中で少しだけ意識する」という程度ならできるはずです。
- 駐輪場に行った際はざっと見回してみる。
- 道路に止められている自転車を流し目で確認する。
これくらいが現実的な対応だと思います。
私の場合は、マンションの前に止められた自転車を通りすがりに発見しました。
ただし放置された自転車を見ながら移動するのは、かなり注意力が奪われます。事故には十分に気をつけてください。
自転車を盗まれることによって発生する被害
少し話が変わりますが、自転車の盗難によって発生する被害についても考えてみます。
まずは当然、盗まれた自転車本体の価格です。
今回盗まれたのは一般的なシティサイクルのため、1台の価格は4万円程度です。ただし、今回は2台盗まれたので8万円の被害です。
すぐに新しい自転車を購入できるとも限りません。代えの自転車が手配できるまでの間、徒歩で移動すれば通勤時間が増え、代替の交通手段を利用すれば交通費がかかります。
被害は時間や金額に換算できるものだけではありません。
自転車を趣味にしている方にとって自転車は特別なものです。自分専用にカスタマイズする中で、ただの移動手段以上の、強い思い入れや愛着を持っている方も多いと思います。
パーツが廃盤になってしまったということも考えられますし、金を出して同じものを購入したとしても、それは別の自転車です。
それを奪われたことによる精神的な被害は金額には変えられません。
自転車の盗難対策
以上のように自転車の盗難は、本体の価格だけでなく、精神的な被害もあれば、様々な処理が必要になります。
このような煩わしさを味合わないためにできること、盗難対策についても考えてみます。
このページでは、今回の被害に合わせて、シティサイクルの盗難対策という前提で考えてみます。
何十万円もする高価なロードバイクの場合、専用の工具や車を利用するプロの窃盗団も存在します。工具を使えば壊せない鍵はありません。そのため長時間駐輪する場合、自宅内やガレージなど、「他人の目に触れない場所に保管する」という方法しかないと思います。
シティサイクルの場合、同じような自転車が街中に存在するというのがポイントです。
自転車を盗む犯人の心理として「どうせ似たような自転車なら盗みやすい自転車を盗もう」と思うはずです。
また、シティサイクルは転売には向かないため、高価な専用工具は使われません。用意したとしても100円均一で手に入るようなニッパーやワイヤーカッター程度だと思われます。
以上の点から、犯人に「他の自転車よりも盗むのに手間がかかりそう」と思わせることが大切です。
一般的なシティサイクルの鍵は前輪を止めるタイプか、後輪に設置する馬蹄錠のものが主流です。それ以上、めんどくさそうに思わせる事ができればいいわけです。
前置きが長くなりましたが、シティサイクルに必要な対策は、馬蹄錠とU字ロックを二重にかけることです。
わりとありがちな結論ですみませんw
U字ロックの種類ですが、大型のボルトクリッパーで切れないものとなると、数万円します。
ただしシティサイクルの盗難に大型のボルトクリッパーが使われることはないので、一般的な強度のU字ロックなら問題ないと思います。
シティサイクルならアマゾンで人気のパナソニックのもので必要十分です。
管理しなければいけない鍵が増えますが、自転車の鍵にU字ロックの鍵をつければそれほど邪魔にはなりません。
外出先でも地球ロックをしたい、鍵が増えるのが煩わしいという方には以下のものがおすすめです。
どちらも2,000円もしません。シティサイクルの防犯対策にちょうどよいU字ロックだと思います。